黒色女子を個人授業
「自分と重ね合わせてたのか?」

「僕は不器用なんかじゃありませんよ」

「不器用だよ。お前は」

本気で自分が器用だと信じる大城を、今井は鼻で笑った。



「で」二本目のタバコに火を点ける今井。「次はどこのプロジェクトを受け持つことになるんだ?」

「あー、それなんですけどね……」大城は躊躇いがちに呟く。「正直迷っているんですよ」


珍しくはっきりしない大城に、今井は「何がだよ!」と急かす。

「会社を起こさないかと友人に誘われていまして」

「は?」

今井は目を丸くした。

「この会社を辞めて……起業するってことか?」

「行く行くは、そうしたいと思ってます」
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