黒色女子を個人授業
突然会社を立ち上げるだなんて途方のないことを言われ、今井は空に向かってタバコの煙を吐き出しながら感慨に浸った。

「で、何を迷うことがあるんだ?」

あっけらかんと言う今井に、大城はそりゃそうでしょうと肩をすくめる。

「僕だって、8年もこの会社で過ごしてきましたし、後ろ髪引かれるものはありますよ」

冷える肩をさすりながら呟く。

「自分が育ててきた子たちの成長する姿が見たいとか」


ああ、結局天野なのか、と今井の口元は綻んだ。

「離れているからって成長が見れない訳じゃないだろ。
なんならあいつの成長ぶりを毎月メールで報告しようか?」

悪戯っぽい笑みを浮かべる今井に「余計なお世話です」と大城は眉間に皺を寄せた。
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