黒色女子を個人授業
***



「ほら天野、さっさと行くぞ!」

「はい!」

今井さんに怒鳴られて、私はバッグを担いだ。



大城さんがプロジェクトを抜けて一カ月。

後釜にすわった今井さんに連れられて、私はクライアント先へ復帰した。


大城さんがいない今、私を守ってくれる人はいない。

逆にそれで吹っ切れた。

今までの私は甘えていたのかもしれない。

私は一人でも頑張れる。セクハラオヤジなんてぶっ飛ばしてやる。

今はそんな風に思える。
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