黒色女子を個人授業
第15章 彼のいない時間の中で
***第15章***


「クライアント先デビュー、なかなか良かったよ。
堂々と意見を言えてたし」

「ありがとうございます!」

私の言葉に、後輩の滝川くんは目を輝かせた。


厳しい寒さが終わり、暖かい風が春の香りを添えて髪を揺らす。

去年の今頃は、彼を失った不安感を打ち消すために、必死で働いていたっけ。

今だって大して変わっていないのかも知れない。


あれからもう、丸1年が経っていた。
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