黒色女子を個人授業
「花山さんってどんな男性が好みなんですかね?」

「うーん、そうだねぇ」

信号を渡り終えた私は、再び言葉を濁した。

私が知っている花の好みは、良い会社に勤めていて、将来性があって、そこそこ収入も見込めて、見た目も……

……と、こんな腹黒い好みを明かしたら花に怒られそうだ。


「そう言えば、天野さんは気になる人とかいないんですか?
俺、紹介しましょうか?
花山さんを紹介してくれるなら」

「ちなみに、私だけ独り身が前提になってるのはどうして?」

「だって、彼氏いなそうですもん」

滝川くんの言葉が胸に突き刺さる。

最近の若い子って、人が傷つくことを平気で言うんだな。
< 373 / 510 >

この作品をシェア

pagetop