黒色女子を個人授業
「な、何言ってるんですかぁ!!」


なんて言い方をするんだ! 顔が熱い。


「その服は誘惑するときの服じゃないの?」

「違います!!」

「なんだ。残念」

そう呟いて、彼は私に手を差し伸べた。


「さ、行こうか。
昔約束した美味しそうな甘味処見つけたから、おやつ食べに行こう」


この手は、たぶん、あのときと同じだ。

私が病気で倒れそうだったときに差し出された手。

あのときは、恥ずかしくて振り払ってしまったけれど。


私は、彼の手のひらの上に、自分の手のひらを重ねた。

彼はにっこりと微笑むと、指を絡めてきゅっと優しく握る。


大きい手だな。


彼の手の温もりに鼓動を高鳴らせながら、私は彼について行った。
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