黒色女子を個人授業
彼が私の薬指に、そっと指輪をはめた。

そしてその指輪に軽く口づける。

「これでもう離れ離れになんてならない。
ずっとここにいるよ」

甘い眼差しで囁いた。


ダメだ。

またドキドキしてしまう。

嬉しい。

このまま心臓が止まって死んじゃいそうなくらい嬉しい。

今すぐ飛びついちゃいたい。


……でも。


「や、やっぱり派手じゃないですか? 私には可愛らし過ぎません?」

ごまかすように私はまくしたてた。


……恥ずかしいよ。

この気持ちを知られてしまうことが。
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