黒色女子を個人授業
最近いっつもこのパターン。

お陰でしょっちゅう残業だ。

私の彼氏ができないのは、今井さんのせいじゃないだろうか。


「今日も今井さん、忙しそうですね」

うなだれる私を見て、声をかけてきたのは滝川くんだった。

愛想笑いを浮かべる私に、彼は身を乗り出して、小声で囁いた。

「なんか花山さんだけいつも後回しにされてません?」

その言葉に、私もつられて前のめりになる。

「やっぱりそう思う?」


私もそうじゃないかと思ってたんだ!

他の人に比べて、私への扱いがぞんざい過ぎる。

ないがしろにされている気がしてならない。


「私って優先順位低いのね」

私がむくれて呟くと

「や、むしろ逆なんじゃないんですか?」

滝川くんは顎に手を添えて考えるふりをしながら言った。
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