黒色女子を個人授業
「滝川くんって歳いくつだっけ?」

「今年で26です」

「……そう」

私は白々しく相槌をうった。


私より3つ年下か。

20代半ばとアラサーのテンションは、やっぱり違うわよね。


私が嘆息するのをよそに、滝川くんはきらきらとした若々しい目で訴えてきた。

「僕とも、もっと親しくしてくださいよ。
花山さんとお近づきになりたいです」

またそんなこと言ってる……。

彼は常にこんな感じで、私に猛然とアピールしてくるのだった。


私は曖昧な笑みを返した。

彼は考え方も行動もノリも全てが若々しくて、どうも受け入れられない。

一緒にいると私がおばさんと言われているようで腹が立つ。

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