黒色女子を個人授業
私がバレンタインにあげたのは、手作りのトリュフ。


手が込んでるなんて言っても、作るの結構簡単なんだけどなあ。

実際は溶かして丸めるだけのお手軽スイーツ。

まあ、彼は作り方なんて知らないか。


いつもお世話になっているからと、義理を装ってあげたのだけど

彼にとってみたら『手作りチョコレート』以上でも以下でもなかったのかもしれない。


それとも

本命感が出ちゃってたかなぁ……


私が反省していると、彼は私の耳元でこっそりと呟いた。


「絶対、誰にも言うなよ?
お前だけ、特別だからな」

その声が、今まで聞いたこともないような彼らしからぬ甘さを含んでいて、戸惑う。

何それ。
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