黒色女子を個人授業
特別と言われて勘違いしない女の子がいたら見てみたい。

この人、バカ?

そんな気もないくせに、軽々しく思わせ振りなこと言って……


彼を見上げると、彼も私の視線に答えて見つめ返してきた。

今までに感じたことのない空気が漂う。


別に何を期待しているわけでもなかった。

ただ純粋に、彼と一緒にいる時間が楽しかっただけ。

見返りが欲しいとか、独り占めしたいとか、そういうわけではなくて。


空っぽの私の心を満たした、ささやかな恋心。

それだけでよかったのに。


特別なんて言われたら

期待しちゃうじゃんバカ。


どうしてくれんの。

見返り、もっと欲しくなっちゃうじゃん。

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