黒色女子を個人授業
彼女は小さく呟いた。

「どうして、拒まなかったんですか?」


どうしてって。

そんなこと聞くのかと、俺はしり込みしながら視線を漂わす。

んなもん、決まってるだろう。


「言わなくても分かるだろ?」

彼女は泣きそうな顔でむくれる。

「今井さんは、目の前に女の子がいたら、誰でも抱いちゃうの?」

「そんなわけないだろ」

「じゃあ、どういうつもり?」


彼女が顔を近づける。

長い睫毛が、きらきらと瞬いていた。


こいつは俺を試しているのか?

俺に何を言わせたい?
< 487 / 510 >

この作品をシェア

pagetop