黒色女子を個人授業
「そうだ、さっき買ったお財布のお金……」

立て替えてもらっていたことを思い出し、私が財布からお金を出そうとすると、その手を彼が制した。

「いいよ、プレゼントって言ったでしょ」

「でも……」

「部下のメンテナンス費用も、僕の給料には含まれているんです」

食い下がる私に、彼はそう言ってなだめた。


かといって、決して安い額ではないし出してもらう訳にはいかない。

「それなら、代わりにここの食事代私が払います!」

そう言って身を乗り出すと

「えー? じゃあ一番高い日本酒開けちゃうよ?」

飄々とそんなことを言ってメニュー表をめくった。

「え!? ちょ……ずるい!!」

「冗談だよ」

慌てる私を見て、彼はいたずらっぽく笑った。
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