黒色女子を個人授業

何かを隠しているということはわかった。

もう少し探れないかな……

適当に世間話を挟みつつ、それっぽい話題に繋げていく。

「花山が合コンしまくるとか張り切ってたけど。
お前は？　そーゆーの行かないの？」

「私？」天野は一瞬目をパチクリさせるも「行かないよ、苦手だもん」と興味なさそうに答えた。

「ひょっとして」隙を逃さず俺は尋ねる「彼氏とかいるの？」

「え？　ううん、いないよ。」

天野は全く表情を変えなかった。その否定っぷりがあまりにも自然だったもんだから、余計に彼女が分からなくなる。

こいつリアクションが冷静過ぎて何考えてるか読めねぇよ……

「ふーん、そうなんだー」適当な返事をして、俺が次の質問を考えていると

「ねぇ？　酒井くん、花から何か聞いた？」突然天野が言い出した。