黒色女子を個人授業
つまりは、今の私はプライベートの時間が空虚すぎる。

何か心が熱くなるような趣味が必要だ。

そういう結論に至って

「ねぇ、花の趣味ってなに？」

私は友人に助けを求めることにした。


突然聞かれた花は、コーヒーを片手に目をパチクリさせた。

休憩スペースのソファの上で足を組み直し「そぉねぇ」と呟きながら考える仕草をする。

「合コンで聞かれたときは、旅行ですって答えてるけど。
実際たいして行ってないから、深く聞かれると困るわね」

「どうして旅行？」

「イメージ的にいいし、気が合えば連れてってもらえるかも知れないでしょ？　費用も出してくれたら最高」

なるほど、と私は頷いた。

旅行かぁ、最近、里帰りくらいしかしていない。

宿や飛行機など予約が必要になってくるイベントは、急に仕事が入ったときにキャンセルするのが嫌でついつい敬遠してしまう。

もっと仕事に支障をきたさない、手軽に、気楽にできる趣味がいいなぁ。

……そう考えてる時点で、やっぱり私の頭の中には、仕事しかないのかもしれないけれど。
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