黒色女子を個人授業
***



久しぶりのスカートに太ももがスースーする。

みんなに見られているような恥ずかしい気持ちでーー実際、誰も見ていないがーーオフィスの廊下をビクビクしながら歩いた。



週末、花に連れられて女性らしい服というものを買いに行った。

案内されたショップは花の行きつけらしく、店員の女性とは顔が知れた仲のようだった。

店員は私というターゲットを見つけると、あれが可愛い、これが可愛いと代わる代わる服を持ってきた。

レースだの、透け感だの、ミニ丈だの、流行りの可愛らしい服を持ってきては、花と一緒になってキャーキャーと私に勧める。

かといって、いきなりそんな派手な服を着れる訳がない。

2人の勢いに圧倒されながらも、断り続けていたら、そのうち花が「あんた本当にやる気あるの!?」とイライラし出したので、仕方なく、二人が選んでくれた中でも特段落ち着いた色合いと形をチョイスして何着か購入した。
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