ふわり恋した
それからの一週間、放課後は先輩に勉強を教えてもらって、まどかはなんとか無事に中間テストを終えることができた。

答案さえ返ってこなければ、テスト期間中は学校から早く帰れるし、先輩と過ごす時間も長いから嬉しかった。

ホームルームの終了を知らせるベルが鳴り響くと、まどかはお弁当が入ったカバンを片手に、先輩と待ち合わせしている中庭へと急いだ。

今日から部活が再開される。

先輩はもうベンチに座って待っていて、まどかを見つけると、ちょっと腰を浮かせてまどかが座りやすいようにスペースをあけてくれた。

「先輩、お待たせしましたぁ」

先輩に会えたのが嬉しくて、自然と笑みがこぼれる。

「オレも今きたとこだよ」

先輩ははにかんだ笑みを浮かべる。
こういうところ、年上だけどかわいいなって思ってしまう。

天気も良くて、外でお弁当を食べるのには最高の日だった。

「先輩、これ私が作ったの。食べてみて」

そう言いながら卵焼きを先輩のお弁当箱に乗せる。

私が使っていた箸で・・・。
もしかしてこれって間接キスっていうかな。
ちょっと違うかな。

まどかはそんな事を考えて、一人でドキドキしている。
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