青空の下月夜に舞う
真実と嘘
「久しぶり」
その時。
目の前に止まった黒の車。
助手席の窓がゆっくりおりて。
自然と私の視線も車に釘付け。
ハッと息を飲んだ。
「ドライブ、する?」
見つめられて。体が動かない。
穏やかな笑みを浮かべる表情とは、正反対。
射抜かれる視線。
冷たい瞳。
「ゆ……だ、い」
風に靡く髪が揺れ、暗闇に浮かぶ雄大をより浮き彫りにする。