青空の下月夜に舞う
玄関を開けると、久しぶりに見る沢山の靴の数。
そして。
裸女が、慌てる様に靴を脱ぎ捨て、リビングに向かう。
「南!!」
大きな声が家中に響くんじゃないかってぐらい。
声色は嬉しさを含み、私はどうしたものかと一瞬頭を悩ませた。
部屋、いこ。
裸女の口から出てくる“南”という人。
約一週間毎日一緒に居て、よく名前が上がる。
明らかな好意。
堂々という、“南が好き”の言葉。
お風呂。
入りたいけど、この靴の数。
朝でもいいか、と。部屋に足を進めようとした時。
「麻衣ちゃん、ちょっといい?」
振り向いた私の目に飛び込んできたのは。
優しい笑みを浮かべ。
短い前髪を上に立ててる、茶髪の人。
初め、ここに連れられて来た時、部屋に案内してくれた、物腰柔らかく話す……誰だっけ。