青空の下月夜に舞う
揺れ動く中で
「へぇ……アイツが泣き虫か。喧嘩の強さは空手かよ」
面白いのか、そうでないのか。
私の話を、新たにつけたタバコを吸いながら静かに聞いていた慶太郎。
嘘は吐いてない。
もう、思い出してもしょうがない、記憶。
あの頃は楽しかった、なんて台詞は。
今が充実しているから言える事で、私がそれに似た言葉を口にするならば。
あの頃に戻りたい、とは。絶対に言わない。
やっと前を向き出した自分。
だけど、それを嘲笑うかの様に、簡単に引きずり戻す雄大。
「出会わなければ良かったんだ。私達」
最初から。