青空の下月夜に舞う
タバコをくわえ、深く吸って吐き出す。


「未成年は……」

「俺ダブって今年二十歳になったの」

「え」

「嘘だよーん」


嘘嫌いなんでしょ、って言う目を向けたら「今のは冗談だ」と、ケラケラ笑う。

砂にまみれた制服をパンパン、と軽く叩く。


痛いし。腕も。

口の中も切れてるし。


「麻衣ちゃんと、雄大くんはそんな関係なのね。てっきり俺裏で繋がってるんだと思ってたよ」

「何そのダークな言い方」

「だってアイツ彼女いんじゃん。アイツの高校に」

「うん。知ってる」

「へえ。驚くかと思った」

「私が雄大の彼女かと?」

「うん。隠されてる“本気”の大事な彼女」

「有り得ないよ」


膝を抱いて、頭をもたれた。
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