青空の下月夜に舞う
「どんなに腹が立ってたって、理由もなしに人を殴っちゃダメでしょ。しかも駅に居た人絶対ワケわかんないでしょ」

「えぇ?!麻衣ちゃん俺の話聞いてた?!」


しっかり聞いた上で、出した答えなんだけど?
私が昔男の子にふるっていた暴力は正義の拳(たまに棒)だったんだもん。

意味なく関係ない人を傷つけたりしないよ。


「ご質問等ありますか?」

「お願いならある」


胡散臭い敬語を使い、話す慶太郎に答える。
頭に疑問符を浮かべた様な表情で、目を丸めた。


「携帯、貸してくれない?」

「いいよ。はい」


差し出された黒のスマホ。
受け取ったけど……

数秒見つめて、慶太郎に渡す。


「は?使うんじゃねぇの?」

「そう、なんだけど……」


言って笑われないかな。
使い方がわからない、なんて。
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