青空の下月夜に舞う
私と慶太郎が一緒に居ると、また目立つから、と。

帰りのホームルームのチャイムが鳴ると、腰を上げて立ち去っていった。



……はぁ。


大きなため息。

野球部の部室裏って、こんなに涼しいんだ。

何もかも。
私の黒い感情も、風が吹き飛ばしてくれたらいいのに。


家を出てから、関わりが少なくなった雄大。
なのに、小さな事からまた会うことが増えそうな予感。

いっそ、どこかの天才が感情を無くしたアンドロイドにでも変えてくれないか、と。


バカみたいな願いが頭に浮かんだ所で。


「麻衣……?……っ!あんた!」

部室裏にゆっくり顔を忍ばせたセナが。


私の姿を見て驚きの表情を浮かべた。
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