青空の下月夜に舞う
「さっき電話したんだよ?バイク乗ってて気付かなかったの?」

「祐也くんバイクカッコイイ~」

「集まりがあんの?中に慶太郎くんと響さん達居たよ」

「慶太郎くん酔っぱらってたよ。馬鹿笑いしてた」

「あははは!あんた殺されるよ?」


バイクを囲んではしゃぐ女の子達と、その中に居る祐也はまるで別世界に感じる。

距離は、3メートル程なのに。


ま、混ざりたくもないけどねん。
邪魔しちゃ悪いよな、と思い、バイクから離れてスーツケースを引く。

祐也がこっちを見ている気がしたけど、話しかけて来る事はなく、そのまま歩道を歩き続けた。


夜ご飯買って帰んなきゃ。

コンビニまで約20分程歩き、中に入るとエアコンの涼しい風に癒される。

夜はまだ涼しいけど歩いたら暑い。


ミルクティーとパンを買い、レジを通した所で、携帯の着信音が鞄から聞こえてきた。


頭にはてなマークを浮かべながら、携帯を取り出して待受を開くと


「なんだよ……」

鼻から息を出すと、通話に切り替えた。


「はい」

自動ドアを抜けて、鞄にビニール袋を突っ込むと、スーツケースは左手。右手は携帯を持ち、耳に当てた。


『今どこに居る?!フラフラ歩いてんじゃねえよ!』


声の主は祐也だ。
何でコイツ少し焦ってんだろ。
< 21 / 319 >

この作品をシェア

pagetop