青空の下月夜に舞う
体が震える。
何で?拉致?私殺される?
頭の中では警戒音が鳴り響き、必死に冷静になろうとするも、体がいうことを聞いてくれない。
周りを観察していいかも分からず、ただ固まるしかない私に、車を暫く走らせた所で、助手席に座る男が口を開いた。
「やっぱり、な」
暗い社内に、光るスマホのディスプレイ。
チラリと目線を向けると、口を開いた男が、着信を知らせる振動音を鳴らすスマホを手に、私の方へ顔を向けた。
「麻衣って名前だろ?」
な……っ!
私の名前を口にした男に、驚きの目を向ける。
口を開かずとも、表情で肯定の意味を感じたのか、ニヤリと笑みを浮かべると、男は通話に切り替えた。
「間違いねえよ。……あ?いいんじゃねえの?……後五分くらいで着く。今圭吾の電話が鳴ってる。ああ、分かった」
電話を切り、助手席の男が「おい」と口にすると、私の腕を掴んでいた男の手が離れた。
すると――……
「ごめんな?麻衣ちゃん。相手の出方がわかんねえから、手荒な真似したな。着いたら詳しく話すから」
何で?拉致?私殺される?
頭の中では警戒音が鳴り響き、必死に冷静になろうとするも、体がいうことを聞いてくれない。
周りを観察していいかも分からず、ただ固まるしかない私に、車を暫く走らせた所で、助手席に座る男が口を開いた。
「やっぱり、な」
暗い社内に、光るスマホのディスプレイ。
チラリと目線を向けると、口を開いた男が、着信を知らせる振動音を鳴らすスマホを手に、私の方へ顔を向けた。
「麻衣って名前だろ?」
な……っ!
私の名前を口にした男に、驚きの目を向ける。
口を開かずとも、表情で肯定の意味を感じたのか、ニヤリと笑みを浮かべると、男は通話に切り替えた。
「間違いねえよ。……あ?いいんじゃねえの?……後五分くらいで着く。今圭吾の電話が鳴ってる。ああ、分かった」
電話を切り、助手席の男が「おい」と口にすると、私の腕を掴んでいた男の手が離れた。
すると――……
「ごめんな?麻衣ちゃん。相手の出方がわかんねえから、手荒な真似したな。着いたら詳しく話すから」