青空の下月夜に舞う
は?え?……なんなの。

私を挟む様に隣に座る男達も、「ごめんな」と謝りを口にする。

体の自由を取り戻したけれど、心はちっとも晴れない。

意味がわからない。
見知らぬ男達に、いきなり車に乗せられた。

そんな奴等が、急に謝ってこられても、安心なんて出来る訳がない。

口を開くのも、何を言っていいのかすら分からず。

車が停止するまで、私はただ真っ直ぐ。瞳を向けていた。





――――スライドドアが開き、車内の男達も、次々と車から下りる。

「こっち」

そう言ったのは、運転席の男。
声に導かれ、足を動かした先は、数年前に潰れた廃病院。


え。行きたくないんですけど。

……とは言えず。
言われるがままに足を動かした。

駐車スペースから奥に向かうと、

ん?プレハブ?
灯りがついてるから、その存在だけが異質。

同時に視界に写るのは数台のバイク。
と。明らかに真面目な部類には見受けられない人達。

しかも男、男、男。

痛いほどの視線を感じながら、プレハブの前まで来ると、助手席に乗っていた男が、躊躇なく扉を開けた。
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