青空の下月夜に舞う
意を決して。

再び扉を開けた。


「……」


幸い。
もう声は聞こえてない。

耳を澄ましてみても……
うん。大丈夫そう。


実はトイレに行きたい。
しかし。またあの声は聞きたくない。
トイレの場所知らないし。
コンビニまで我慢しよう。

よし。私の膀胱頑張れよ!

鞄を持って、後ろ手に部屋の扉を閉めると、足音を極力立てない様に、ソッと足を踏み出す。


ゆっくり、ゆっくり。
だけど迅速に。

やっと玄関に辿り着き……

もうここまで来たらダッシュだ!

急いで靴を履こうとした私の耳に、


――カチャリ。

どこかのドアノブが開いた音が。


焦って飛び出せばいいものを、こんな時人間は、音がした方に視線が向くらしい。と、身を持って実感した。


「……あ。あんた?まみって子。」


そこから出てきたのは。
パンツ以外を脱ぎ捨てた……ほぼ全裸の女の人が立っている。


「あ、は、いや……」

どうしたものか。
ここはどう答えるべき?

私はまず、まみじゃないし。
だけど昨日の今日で呼び間違えされて、きっと自分なんだろうなってのも、頭の片隅にある。
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