青空の下月夜に舞う
「あの……」

「何」

聞いていいのかな。
でも……


「もじもじすんなっつーの。まみちゃん私男じゃないから、そんな仕草に立たないよ?」


立たないとかの前に、貴方付いてないじゃん。
と。どこか、冷静な自分が心で突っ込みを入れた。


「祐也って彼女居ないんですか?」

「あれ?やっぱり彼女の座狙ってる系?ダメだよ、祐也くんは苦労するよ」

「いえ、」

「祐也くん、顔は好みなんだけどなぁ。やっぱり私は南が好きぃ」


ゴーイングマイウェイ。

私の話聞いてない、のね。南って誰だよ。


祐也、彼女居ないんだ。
でも聞く限りは居ない気もする。

まぁ、歩く発情期の祐也の彼女になろうって強者も中々居ないよね。


裸女の横に腰掛けながら、何を聞いても、ワケわからない方向に持っていかれる様なら、もう黙ってようと。鞄を抱えた。


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