青空の下月夜に舞う




「いらっしゃいませ~。店内でお召し上がりですか?」


パン屋の制服に身を包み、慣れた手付きでレジを打つ。


何者なの。アイツ。
つーか美舞って喧嘩集団なの?

血見て笑うって、頭がどっか可笑しいんじゃないの。

喧嘩じゃないって。慶太郎が一方的に?
祐也もそんな人達と居るんだよね。


そりゃ、トマト頭に、ライオン丸だもん。
普通じゃないのは分かるよ。

でもいきなり人を殴ったりする人じゃない、と。

言える程慶太郎を知らない。
祐也も。学校の祐也しか知らない。


一人悶々と考えていると、積み重ねてあるトレーを、派手にぶちまけて、店長にすこぶる怒られた。


もう何がなんだか分からない。
私は自分が生きていくだけで精一杯な毎日で。


喧嘩集団と何やらお戯れになる時間なんてない。

祐也は友達だけど。
だから祐也のバイクに乗った。


それだけで慶太郎を気にする事はない。
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