カカオ80%な彼。
「……えっと、海聖……?」
「……いや、なんでもねー」
赤月先輩はボソっと呟いてあたしを解放した。
なにが起きたかいまいち理解出来ないあたしは口をポカーンとあけて赤月先輩を見つめる。
「てめーはもう戻れ」
「ふぇ?えっと……罰いいんですか?」
「あー……気分変わったから。
でも今度、覚えとけよ」
ドクン
妖艶な笑み。
胸が高鳴るのがわかった。
なんだろう、いまの感じ……。
相手はあの最低な赤月先輩だよ?
李久じゃないのに、どうして胸がドキドキなるんだろう。
赤月先輩が、イケメンだから?
わからない……。
わからないけど、
なにかがはじまる、そんな予感がしたんだ。