カカオ80%な彼。
ー菜津Saidー
「……あたし、最低だ……」
図書室に着いてさっきあたしが言ったことを今更後悔。
ガラガラガラーーーー
え?誰?
やだよ。こんな惨めなとこみられるとか終わってるよ!!
あたしはとっさに隠れようとしたけど
それはだれかの腕によって阻止された。
ギュっ
え?あたし、抱き締められてる?
だれ?
ううん、知ってる。
赤月先輩しかいない。
「……先輩、どうして追いかけてきたんですか?」
「べつに。なんとなく」
言葉は冷たいけど心配してくれてることちゃんとわかってる。
「……先輩、あたし……
「お前は引き立て役なんかじゃねーよ」
「………」
「お前の友達もだけど、
お前3年の間で彼女にしたいって人気だぞ」
それは、本当のこと?
それとも、あたしを慰める為の嘘?
だけどどっちにしても
もの凄くうれしい。