カカオ80%な彼。
それにあたしはきっとこのやりきれない気持ちを誰でもいいから、
ぶつけたかったんだ。
ーーーーー……
「あ~なっちゃんどこいってたの~?」
「ごめんごめん、最近気分上がらなくて外の空気吸ってた」
「そうなの?大丈夫?」
「…うん。平気!
そうだ、あたしちょっと行くとこあるから次の授業さぼる!」
「え!?なっちゃんが!?」
目をまんまるにする妃那。
そりゃそうだ。
あたしは妃那が知る限り授業をサボったことなんてないから。
でもね、妃那……
妃那と李久が知らないとこで
授業なんてたくさんサボってたんだよ。
「おい菜津、どこいくんだよ?」
ドクンっ
「たまにはサボらせてよねー!」
「菜津最近元気ねーし、妃那心配してるぞ?サボりも関係あんの?」
いっつも心配してくれて、
じぶんのことのように親身になってくれる李久。
でもいまは、
その優しさが辛い。