彼に殺されたあたしの体
あたしはその足音が止まることなくこちらへ近づいてきている事に、緊張していた。


今は夜のハズだ。


夜に誰がなんのためにこんな場所へ来たのだろう?


もしかして、両親があたしの居場所を突き止めて助けに来てくれたのだろうか。


でも、それなら足音は2つあってもいいはずだ。


だとすれば……。


ここへ迷いなく来る人物といえば……1人しか、いない。


あたしの考えは的中した。


足音はあたしが埋まっている土の真上で停止したのだ。


そしてすぐにザクッザクッと音が聞こえてくる。


これは土の掘り返している音かもしれない。


その音が聞こえるたびに、あたしの上に乗っている重みは軽くなってゆく。
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