彼に殺されたあたしの体
土まみれで顔だって何日も洗っていない。


腹部からせりあがってきた胃物のせいで、殺された時よりも大きく口は開いた状態だ。


きっと醜いだろう。


こんな姿を先生に見られてしまって恥ずかしい。


あたしはすぐに顔を覆い隠したかったけれど、やっぱりそれも無理だった。


仕方がないので、あたしは同じ体制のまま先生を見ていた。


先生はあたしの顔を見た後何度かえずき、少し涙目になってしまっている。


吐き気がするくらいひどい顔なんだね。


ごめんね。


できるなら先生にはもう見られたくないよ。


それは先生も同じ思いなのだろう。


先生はもうあたしの顔をみることはなかった。


代わりに、あたしの腹部に視線を移した。


あぁ。


きっとそこも醜いわ。
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