彼に殺されたあたしの体
土の重さでへこんでしまっているもの。


そんなの普通の人間じゃあり得ない状態だもの。


そう思っていると、先生がズボンのポケットから何かを取り出した。


それは月明かりに照らされてキラリと光る。


ナイフだ。


懐かしい。


先生があたしに突き立てたナイフは今もまだあたしの胸にある。


先生が手にしているそれもよく似ているけれど、少し違うのね。


先生はナイフを片手に握りしめて、あたしのお腹に突き立てた。


中身は上下に移動しているため、そこにはなにもない。


ブヨブヨとした皮を無理やりに引き裂いていく。


あたしは先生のその行動に混乱していた。


今更あたしの体を裂いてどうするんだろう?


その疑問はしばらく経つと簡単に解決された。
< 103 / 306 >

この作品をシェア

pagetop