彼に殺されたあたしの体
思い出す
土の中で置き去りにされたあたしは、ぼんやりと今日の学校の事を思い出していた。


いつもの時間に起きて、いつもの時間に家を出た。


身につけているものは当然制服だ。


あたしが通っているN高校の制服は、紺色のスカートに白いブラウス。


ブラウスの首元には紺色のリボン。


着なれた制服姿で、ぼーっと歩いていても到着してしまう慣れた道を歩く。


家から学校までは徒歩10分ほど。


とても近い距離だけれど、学校は丘の上にある。


到着までのラストスパートにわりと急な坂道があるため、生徒たちはそこで体力を消耗させられる。


それでも若さがあれば坂道くらいどうにかなる。
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