彼に殺されたあたしの体
☆☆☆

それからまた月日は流れて行った。


腐敗を始めたあたしの体はガスを含んだように膨らみ、その上にモグラが乗るとあらゆる穴から異臭が排出された。


腐敗していく過程で体内から何かが発生しているのだろう。


死んだ後の事はよく知らないが、きっと皮膚の色も黒ずんできているのではないだろうか。


ここが暗闇でその様子が見えない事が、唯一の救いだと感じた。


それでなくとも、日に日に自分が自分でなくなっていくのがわかる。


自分という人間の形状が変化していくのはなんとなく奇妙な感じだった。


生きていた頃は、綺麗になりたい、可愛くなりたいと毎日のように手をかけていた体や顔。


それらが何もしなくてもどんどん崩れていくのだ。


手を抜けば拭けてしまう。


なんてレベルの話ではない。
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