彼に殺されたあたしの体
体育会系の男子など、部活動の朝練でこの坂道を何往復もしているし。


あたしもこの坂道は平気なほうだった。


ほんの数カ月前までは。


今では登りきるまでに気分が悪くなってしまい、途中で座り込んで休むことがしばしばだった。


今日もまた、坂道の途中で苦しくなり立ち止まる。


歩道の隅に腰を下ろし、深呼吸をした。


青い空を見上げて学校へ通えるのはあとどのくらいなのだろうかと、考える。


この調子での体育はもちろん無理。


いずれこの坂道を登りきることも難しくなっていくのかもしれない。


って、それはちょっと大げさか。


そう考えて自嘲的に笑ったとき、自転車を押しながら坂道をのぼってきた友人に声をかけられた。


「美彩(ミア)今日も具合が悪いの?」
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