彼に殺されたあたしの体
☆☆☆

一時限目は教室でノンビリとした授業だった。


教科書はほとんど使用せず、プリントばかり配って生徒に説明する先生の授業。


この先生は生徒に質問をしたり、答えを解かせたりせず、淡々と自分のペースで問題の解答を説明していく。


時間を消費さえすれば給料がもらえる。


そんな考え方をしていそうな先生だ。


窓辺の席のあたしはぼんやりと外の景色を見ていた。


教室は空調がきいているから窓は閉められているけれど、外も涼しげな風がふいているようだった。


校庭に植えられている木々は定期的にその葉を揺らしていた。
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