彼に殺されたあたしの体
どうすればいいんだろう。


隠されたのかという質問にそうだと答えれば、自分はいじめられていますと言っているようなものだ。


かといって否定すれば、じゃぁ靴はどこにあるのかという事になる。


困ってしまって、神田君に握られている右手を見つめる。


どうして神田君はあたしの手を握ったんだろう。


握られた右手はすごく熱くなっていて、汗がにじんできているのがわかる。


嫌だな。


ベタベタするって、気持ち悪がられるかもしれない。


もう離してほしい。


そう思うのに、神田君は握りしめてくる手に更に力を込めた。


まるで、逃がさない。


と言われているような気分だ。


「一緒に探すよ」


「え……っ」
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