彼に殺されたあたしの体
☆☆☆

あたしは最低な思い出を思い出し、苦い気持ちがこみ上げてくるのがわかった。


今考えてみれば、あのイジメは神田君のせいで起きたと言っても過言ではないのではないか。


あたしはあの頃本気で神田君に感謝していて、お礼が言えなかった事を悔やんでいた。


でも、違う。


神田君が最初からあの学校にいなければ、あたしはイジメに会う事もなかったのだ。



イジメの期間が短かったから助かったものの、もし神田君が転校せずに6年間同じ学校に通ったとしたらどうなっていただろうか?


残りの小学校生活すべてを、イジメを耐えながら過ごす事になったかもしれないのだ。


考えただけでも、腹の奥から怒りが湧いてくる。


彼女も、神田君も、彼女の取り巻きたちも、どうしてあの時あたしは許してしまったのだろうか。
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