彼に殺されたあたしの体
見える子
あたしがすごくいい気分でいると、不意に足音が近づいてきてハッと体を硬直させた。


その足音は突然現れ躊躇なくこちらへ近づいてくる。


ペタペタと軽い足取りで、体重も軽いのかききとりにくい音が、確実にあたしに近づいてくる。


誰だろう……。


また工事の人たちかと思った。


でも、感じは違うような気がする。


工事現場の人たちは重たい安全靴をはき、みんな体格もよかったようでその足音は土の中にまでよく響いてきた。


それに比べればこの足音はまるで、小さな子供のもののように聞きとられた。


あたしは下手をすれば聞き逃してしまいそうな足音に神経を集中させた。


相手は本当に子供かもしれない。
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