彼に殺されたあたしの体
あたしは冷たい土の上に寝かされたまま、雨に打たれていた。


半透明なカッパを着ている彼とは違い、あたしは雨よけの道具を何も持っていない。


手は冷たく、体の体温はどんどん奪われていく。


このままでは体によくない。


そんなこと、誰でも理解できる状況にいた。


それでも、彼は一心不乱に穴を掘り続けている。


付き合っているとは思えない態度。


本当なら彼女であるあたしは憤慨して怒るべきシーンかもしれなかった。


でも、あたしはただ見ていた。


見ている事しかできなかった。


あたしの胸に突き立てられたナイフが、つい先ほど、あたしの命を奪ったから。
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