彼に殺されたあたしの体
告白
体育の授業を見学しながら、あたしは数学の問題を解いていた。


時々視線を授業中の生徒たちに向けながら、黙々と数字を目で追っていく。


「堀、元気ないね?」


数字を見ていたところ突然体育の先生に声をかけられて、あたしはハッと視線をあげた。


「あ……ちょっと、最近体調がよくなくて」


慌ててそう返事をする。


「病院へは行った? ずっと体育は見学だし、今朝坂道でへばっているのを見たから心配していたんだけど」


登校途中の風景を見られていたみたいだ。


あたしは少し恥ずかしくなって、頬が熱くなるのを感じた。


「病院へは……行きました」


「何かの病気だった?」


「いえ……」


あたしは返答に困ってしまい、うつむく。


世間的にはあたしの体は病気ではない。


だけど今は無理ができないのは事実だった。
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