彼に殺されたあたしの体
誰もがその場所から動けなくなっていた。


まるで時間が止まったように先生と女子生徒の死体を見ている。


それでも会場の崩壊は止まらない。


気が付けば天井のあちこちに大きな亀裂が入っている。


生徒数人が天井を見上げ、そして青くなった。


「また落ちてくるぞ!」


誰かが叫んだ。


それをきっかけに止まっていた時間が急速に動き始める。


悲鳴。


涙。


絶叫。


助けを求める最後のあがきが、あちこちから湧き上がる。


さきほどよりも大きな天井の破片が落下して、数人の生徒を巻き添えにした。
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