彼に殺されたあたしの体
先生と目があったあたしは、ニッコリと微笑んだ。


「あ……あ……」


先生は青い顔を更に青く染めて、言葉にならない言葉を発した。


自分が殺した生徒が目の前にいるのだから、当然か。


あたしは先生のそんな反応に大声を出して笑った。


なに、その顔。


なに、その声。


あたし、こんな男の何が好きだったんだろう。


全然かっこよくないよ。


あたしは自分の右腕に力を込めて先生の腹部へと突き刺した。


こぽっ……。


あたしの右腕は手首までズッポリと先生の腹にめり込み、先生は口から血を流した。


一度手を引き抜くと、そこから真っ赤な血が流れ出した。


ポッカリと開いた黒い空洞。


それはまるで宝物が隠されている洞窟のようで、ワクワクした。
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