彼に殺されたあたしの体
麻薬
「それが呪いの効果だよ」


すべてを鮮明に思い出したあたしに、睦人君は言った。


呪い……。


たしかにそう呼ぶにふさわしい事だった。


あたしはここを抜け出し、殺したい人物の元へ行って来たのだ。


そして自分の思いのままに全員を殺してしまった。


あたしは思い出してゾクリとした。


自分にそんな残酷な事ができるなんて思ってもいなかった。


特に先生の腹をさぐっている時の自分は、本当に無邪気に遊んでいたのだ。


(どうしよう……あたし……)


今さら事の重大さを理解する。


あれほど殺したかった人間を殺して満足していたのに、すべてを思い出すと1人では抱えきれない重みを感じた。


「そうだよ、だから僕がここに来たんだ」


睦人君は冷静な口調でそう言った。
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