彼に殺されたあたしの体
そう言うと、睦人君は土の中にまで届くような大きなため息を吐き出した。


むっ。


もしかしてあたしの言ったことに飽きれたの？


そんな雰囲気が読み取れた。


「魂が完全に消えるという事は、転生ができなくなるという事なんだ」


（転生……って、新しい命に蘇るってこと？）


「そうだよ。人は人として再び転生するようになっているんだ。


この人は何年後、この人は何十年後に転生するって、決められているんだよ。


そうやって世界人口の増減が決められているんだ。


だからみあお姉ちゃんみたいに『誰も困らないから消えていいよ』なんて話じゃすまないんだよ」


なるほど。


あたしが消えてしまえば未来の１人分の命が消えてしまうということか。


（じゃぁ、どうして強制成仏なんて言うのよ）


「だから、それはみあお姉ちゃんが呪いの魅力に勝てなかった時の最終手段として話したんだよ。


本当なら強制成仏はめったなことがない限り行わない」
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