彼に殺されたあたしの体
確かに、あたしは憎しみのあとふと我に返るような感覚を覚えていた。


でも……6年間も?


「これは僕の仮説だけれど、みあお姉ちゃんは沢山の人を殺した。何十人という人をね。


それが原因で長い期間意識を失った状態にいたんじゃないかな? 人間が薬を大量摂取すると死んでしまうのと同じで、みあお姉ちゃんは呪いの副作用で記憶をなくした。

……うん、たぶんこれが正しいと思うよ?」


仮説と言いながらも睦人君は自分の推理に満足したように言った。


確かに、睦人君の言う通りだとすれば話はつながる。


あたしが気づかないうちに世界は6年も進んでいた。


そしてその間、あたしの上に家が建つという話がまた出て来たのだ。


「で、話を戻そうか」


あたしの頭の中はまだまだ混乱しているけれど、睦人君が話を続ける。


「ここに家が建ってその家族を殺すようなことがあれば、僕はみあお姉ちゃんを一番残酷な方法で成仏させに来る」
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