彼に殺されたあたしの体
(……自分たちの身を守るため?)


「……ごめん。だけど、みあお姉ちゃんはちゃんと誰かが見つけてくれる」


(どうしてそんなことが言いきれるの?)


「魂をちゃんと回収しなければ、転生できないからだよ」


(そう……)


あたしは小さく呟く。


あたしの体はかならず回収される。


だけどそれは何年後になるかわからない事。


あたしはそれをここで待つしかないのだ。


「……じゃぁ、僕そろそろ行くね」


自分の役目は終わったというように、睦人君の足が動く音がする。


(待って!)


あたしは思わず睦人君を呼びとめていた。
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